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かつてペロポネソス東部に栄えた古代都市エピダウロス。
医療の神「アスクレピオス」を祀る聖域として知られており、ギリシャ全土から病を患った人々が治療のため集まりました。
ここでは今でも現役で使用される古代劇場や、当時の医療施設や運動場、浴場などの様々な施設の跡地を見て周ることができます。
ペロポネソス半島はかなりの田舎であり、移動の際はバスなどの交通手段が必要なので注意が必要です。半島東部を巡る際は港町「ナフプリオン」を中継地にするのがおすすめ。バスツアーなども利用すると効率的です。
太陽神アポロンは幼い我が子アスクレピオスを、諸事情によりケンタウロス族の賢者ケイローンに託しました。医術に長けるケイローンに育てられたアスクレピオスには、師匠を超える医術の才能がめきめきと花開きました。大人になり、立派な医者になった彼は、人々の様々な病気を治して周りました。
ある日、医療行為中に突然蛇が飛び出てきました。驚いたアスクレピオスは、誤って蛇を殺してしまいます。しかし不思議なことが起こりました。別の蛇が現れ、死んだ蛇に不思議な薬草を与えると、その蛇が蘇ったのです。それに感激した彼は、それから蛇の巻き付いた杖を愛用するようになります。
目の当たりにした奇跡にインスピレーションを受けた彼は、研究を重ね、ついには死者を蘇らせることが可能になりました。…しかしそれを知った冥界の神ハデスが「生と死の秩序を乱す行為だ!」とブチ切れ、最高神ゼウスに猛抗議。それを聞き入れたゼウスは、雷でアスクレピオスを処刑してしまいました。
世界秩序のバランスのため仕方なくアスクレピオスを罰したゼウスでしたが、生前に多くの人々に感謝された彼の功績を称え、死後に医療の神として、蛇と共に星々にしました。その星座がへびつかい座とへび座です。
彼の持っていた蛇の巻き付いた杖は、現在でも医療のシンボルマークとして様々な医療機関に用いられています。
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ギリシャの中でも最も保存状態が良いエピダウロスの古代劇場。未だに現役。
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エピダウロスにて病院のような役割を持っていた施設。
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治療のためエピダウロスに集まる患者たちが泊まるホテルの役割を持っていた。
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エピダウロスの複合施設。宴会場や音楽堂、ジムなどの役割を持っていた。
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エピダウロスの運動場。有名なオリンピアのスタジアムと同等のサイズ感。
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主にエピダウロス遺跡からの出土品を展示する考古博物館。
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エピダウロスやミケーネなど、半島東部を周遊する際に便利な港町。
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半島東部の周遊拠点になるこの町は、山の上の要塞やカラフルな町並が特徴。
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エピダウロス遺跡でひときわ目を引く古代劇場。
紀元前4世紀頃に建造され、約1万4000人もの人数を収容できます。
丘の斜面を利用して造られており、ギリシャの古代劇場の中でも最も保存状態が良いとされています。
驚くべきはその音響効果で、広大なステージの中央にコインを落とすと、一番後ろの席までその音が聞こえます。当時の人々の演劇に対するこだわりを感じます。
この劇場はなんと現在でも現役で使用されています。ここで夏季に開催されるアテネ・エピダウロス・フェスティヴァルは、演劇やコンサート、ダンス、などのパフォーマンスを楽しむことができます。
かつて医療施設として使用されていた神殿。別名アスクレペイオン。
当時の神殿内には金と象牙の「アスクレピオス像」があったそうです。
ここでは数々の患者に対して治療が行われてきました。その治療法の中には、腫瘍の摘出といった外科手術や、ケシなどの麻薬を用いた催眠療法なども含まれていたそうです。
併設する「アバトン」と呼ばれる施設は「聖なる仮眠所」のことで、ここで眠る患者にアスクレピオスが夢のお告げを行い、それに沿った治療が行われていたといわれています。患者は「アスクレピオスの浴場」という浴場で身を清めてからアバトンに入ったそうです。
医療施設のすぐ近くには「トロス」という円形の霊廟があります。特別な儀式に用いられていたとされ、当時は豪華な装飾が施されていました。その一部は遺跡内の博物館に展示されています。
紀元前4世紀末頃建てられたエピダウロスの宿泊施設。
アスクレピオスの聖地で医療に秀でた都市として栄えたエピダウロスには、ギリシャ全土から病を患った人々が治療や癒しを求めてこの地へ集まってきました。遠方からの患者もたくさんいたので、この施設は患者や付き添いの家族などが宿泊できるホテルの役割を果たしていました。敷地は広く、160ものを部屋を有し多くの人々を収容することができました。
また、付近には「ギリシャ式浴場」があり、病や旅の疲れを癒すために使われたそうです。浴場といえばローマのイメージがありますが、元々の起源はギリシャにあるとのことです。
暖炉の女神「ヘスティア」の名を冠するこの施設は、紀元前300年頃に建設された複合施設です。
広い面積を持ち、アスクレピオスを称える祝祭の宴会場としても使用されていました。
施設のプロピュライア(正門)には、アスクレピオスの娘の、健康の女神「ヒュギエイア」の名が彫られ、称えられています。
ここには「ギムナシオン」という体育練習場があり、競技に参加する選手などが日々訓練を行っていたそうです。「ジム(Gym)」の語源になっています。
施設の中庭には「オデオン」という音楽堂がありました。こちらは古代ローマ時代に建てられたものです。
ペロポネソス半島東部周遊の拠点として便利な町ナフプリオンは、「シングルー通り」という道を境に、旧市街と新市街に分かれています。旧市街はコンパクトながら多くの魅力が詰まっています。
特徴的なカラフルな外観は、散歩をしているだけでも楽しめます。
海沿いにもタベルナや飲食店がずらりと並び、青々としたアルゴリコス湾を眺めながら、港町ならではの新鮮な魚介料理などを楽しめます。
半島の日帰りツアーなどを利用する際はランチポイントとして立ち寄ることが多いですが、その場合は食事時間含め2、3時間程の滞在になるので、効率的に観光できるようにしておくといいです。
ナフプリオンでの食事の思い出。
ペロポネソス周遊のバスツアーに参加した私は、エピダウロス観光後、休憩を兼ね港町ナフプリオンに到着。
海沿いのタベルナを見て周っていると、新鮮な魚介類が入ったケースが目立つお店を発見。客引きのおじさんと目が合い、誘惑に負けここで食べることにします。
海をぼーっと眺めてしばらく待つと、運ばれてくる料理。グリークサラダはボリュームも多く、タコのグリルは歯ごたえ、味ともに最高。たまにレモンをちょこちょこタコにかけて味変しつつ、白ワインを楽しみます。
先ほどのおじさんウェイターは、アジア人が珍しいのか、他の接客の合間にちょいちょい話しかけてきて、感想を聞いてきたりジョークを言ってきたりします。
何度目かの時「タコにはレモンをかけるとうまいよ」と言って残りのレモンを豪快に全部タコにかけました。…調整してたのに。しかし酸味によりガラっと味変されたタコがまたうまい。
食事を終え会計を済ませていると、先ほどのおじさんがそれに気づき「アリガトウ!」とカタコトで言ってくれたので、私も「エフハリスト!」とカタコトで返しました。自国の言葉でお礼を言われると気持ちいいですね。
Χταπόδι Ψητό
タコをグリルしたギリシャ料理。フタポディはタコのこと。ナフプリオンの綺麗な海を見ながら新鮮なタコを食べるなら、白ワインはマスト。レモンをかけて味変するのも最高。
Χωριάτικη Σαλάτα
ギリシャサラダ。この旅で何度も食べているので、お店ごとの特色が分かってくる。このお店で食べたものはかなりボリューミー。もちろん味もうまい。
Μπαγκέτα
タコのグリルのお供のバゲット。歯ごたえがあり小麦の風味が効いておいしい。タコやグリークサラダと一緒に食べても合う。
Πουτίγκα
デザートのプリン。カラメルが甘くておいしい。ペロリとたいらげてしまった。